違う見方

新しい時代の始まり。複数の視点を持つことで、情報過多でややこしい現代をシンプルに捉えるための備忘録的ブログ。考え方は常に変化します。

ブラック企業を産み出す「衣食が足りても礼節を忘れた」ブラックな消費者たち

日本一のブラック企業「病院」、人材が海外流出
低賃金でこき使われる若手医師、将来の開業もはや夢に

 

この記事のタイトルに違和感を感じた。

 

違和感の正体は、病院と言われた瞬間に、自分が患者目線になってるからだ。

 

記事の中で書かれてることは、医療従事者目線であり、一般企業を見る目線だ。

 

ブラックな病院は、患者目線では、駆け込み寺として充分以上に機能してるだろうし、さらに患者からはもっとより良い医療を求められてもいるだろう。

 

診療報酬の有り様には問題があっても、サービス残業のような報酬0(ゼロ)は無い。

 

医療従事者(医者や看護師)こそ派遣という形態がふさわしいのでは?

 

ドクターXの大門未知子のように高額報酬ではなく、適正報酬で。

 

医療従事者は明らかに社会のセーフティーネットを担ってるので働きやすい環境を守る必要がある。

 

ところで、そもそも病院をブラック化させたのは病院側の事情ではなく患者の都合に対応した結果だろう。

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/医療訴訟

 

1999年頃から医療訴訟がマスコミのネタになり始めたようだが、確かにこの時期の前後から医療もサービス業だと言われ始めた気がする。

 

つまりクレームが表面化するということだ。

 

他のビジネスと違い、命に対するクレームだから医療従事者側のストレスは大きいだろう。

 

医療従事者としての喜びや充実感と紙一重のところに訴訟があるのだ。

 

使命感が人一倍ある人ほど紙一重を越える可能性が高くなるというイライラもあるだろう。

 

病院のブラック化は、サービス業化が産んだと言えるだろう。

 

患者側の要求に応えようとするあまり労働環境の劣悪化や訴訟を招いているとすれば、最初に疲弊するのは医療従事者だが、それは巡り巡って医療従事者がいなくなり、患者がほったらかしにされることを意味する。

 

人工知能やロボットが医療従事者の役をこなせるのが早ければいいが・・・・。

 

 

一般のブラック企業に目を向けると。

 

大きく分けて2種類ある。

 

  • B to B (企業対企業 お客も企業) 
  • B to C   (企業対個人 お客は個人  通常小売と呼ばれる)

 

B to Bでは、下請け、孫請けという構造がブラック化を産むと言える。

 

実際の仕事を発注してる責任者と実際に最終業務をこなしてる現場の人は面識もないことがほとんどであろう。

 

利益を搾取する中間業者(会社)が入れば入るほど、最終業務の現場はシラけた雰囲気だろう。

 

心ある人は、修業の場だと割り切り、実力をつけてその次を考えるだろうが、そうでない人には、充実感など無縁だろう。

 

B to Bでは、構造の下に行くほど、やりがいがない上に儲けもない。

 

中間で搾取してる立場は楽はしてるが儲けはなく、やはりやりがいはない。

 

B to Bは、構造の下に位置してるところは全部ブラック。

 

上にいる企業はピンキリだろう。

 

この場合、お金を出すのが客ならば、客は上に位置する企業ということだろう、威張り腐った嫌な客だ、でも神様。

 

 

 

みずほ銀のシステム統合費用 数百億円膨らむ、再延期で
2016/11/24 日本経済新聞

 

IT業界では有名なブラック現場らしい。検索すればいっぱい出てくる。

 

B to Bピラミッドの典型。

 

 

 

 

B to Cの場合は、いわゆる商売だ。

 

物やサービスを必要とする人に直接売る仕事だ。

 

この場合のブラックには大きく2種類ある。

 

  • お客が多いがゆえにブラック化する

 

  • お客がいない、少ないがゆえにブラック化する

 

お客がいない、少ないは、そもそも商売として成り立ってないのだが、そこを逆手に取って、悪いことをしだす。いわゆる詐欺的なこと全般だ。

 

店は構えずチラシを使ったり、連絡先はフリーダイヤルで。

 

騙すやつが一枚上手

 

 

明らかに犯罪に該当する手法も多いのでブラック以前と言うか、ブラック以下だ。

 

ちょっと前に話題になったpcデポもこれに該当。

 

PCデポへの怒り綴ったツイートに会社側が慌てて対応?新たな告発で騒動の未収束が浮き彫りに

 

 

お客が多い場合のブラック化では長時間労働がほとんどだろう。

 

そしてその多くがワンオペと言われる一人体制での運営だろう。

 

店のオーナーがワンオペするなら問題ない。

 

ワンオペが持つメリットや合理性はなんだろうか?

 

人件費が安くて済むというのは誰でもすぐ浮かぶ。

 

それ以外に何があるだろう?

 

無理やりこじつけて、店員一人分の動線確保で済むので残りのスペースをお客様スペースや商品陳列にあてるとかだろうか。

 

でも、これがメリットになるとすると店舗自体がもともと狭いだろう。

 

やっぱり、「無理が通れば道理が引っ込む」ということか?

 

お客は安いから店に来る。

 

得してると思うから来る。

 

 

 

よく行く定食屋で毎回「ごちそうさま」言ってた結果wwwwww

 

金持ち健康で喧嘩せず!貧乏不健康で喧嘩しまくり?

 

コンビニの支払いでバレてしまう「人としての器量」

 

 

 

客は、客という立場だけの存在ではない。

 

客は、別の場所で別のサービス業に従事していることもある。

 

どういう仕事をしてるか、どういう客と接しているかで振る舞い方が変わるだろう。

 

自分が受けた仕打ちをそのまま客として行った別の店で再現したりする人もいるだろう。

 

部活で悪しき伝統が引き継がれ、先輩が後輩をいじめる時の心理のような、「俺が受けた思いをお前も味わえ」的振る舞いだ。

 

 

逆に反面教師とし、不愉快にさせる態度は取らないよう務める人もいるだろう。

 

 

買う時に、損をしたくないという心理がブランド信仰を生むが、ブランドのコンセプトに共鳴してるわけではなく、世間の評価が高ければ良い。

 

得をしたいと言う心理が、コストパフォーマンスを求め、良い物を安くと考える。

 

得をしたいという心理は、「もっと、もっと」と要求が高まる。

 

だが、「もっと、もっと」に金を払う気はない。

 

しかし、企業側は「もっと、もっと」サービスを展開する。

 

それしか差別化の要素が出せないのだ、しかしそのサービスも同質化するので負のループを生む。

 

提供されるサービスは、最良のサービスが標準になるので、サービスのレベルが低いと即クレーム。

 

良かれと始まったサービスをクレームという揚げ足取りの対象にするのは消費者だ。

 

 

 

やっぱり自浄能力がなかった電通。

 

そんな電通に誰がした、電通自身で電通になったのではなく、電通に依頼する顧客と二人三脚した結果、ブラック電通が出来上がったのだ。

 

 

日本の政治も電通化というか、電通が政治化か。

 

流行語大賞でクレーム殺到 “アベ政治”タブー化で沈黙(2015)

 

今年もか?

 

2016年新語・流行語大賞「神ってる」に。「どうして?」の声多数。

 

 

B to BでもB to Cでも、ブラックのキッカケを作るのは客の側だ。

 

客こそがブラックだったのだ。

 

誰かがキッカケを作ったかもしれないが、これだけブラックが蔓延してるところを見ると、日本人の大人は全員ブラックだ。

 

やっぱり、日本はブラック国家だ。